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CytoTune®-iPS 2.0, 2.0L

染色体が無傷で外来遺伝子フリーのiPS細胞作製が可能な
センダイウイルスベクターキット

CytoTune®-iPS

CytoTune®-iPS 2.0, 2.0L

CytoTune®-iPSは、効率的な核初期化に必要な、いわゆる山中4遺伝子(OCT3/4、SOX2、KLF4、c-MYC (L-MYC))をセンダイウイルスベクター(SeVベクター)に搭載した製品である。これらを適切に使用することにより、ヒトなどの体細胞から人工多能性幹細胞(iPS細胞)を誘導する事ができる。CytoTune&reg-iPS 2.0がc-MYCを搭載しているのに比べ、2.0Lは、より安全性の高いといわれるL-MYCを搭載しており、臨床用CytoTune®-iPSと同じ構成のキットとなっている。

開発経緯

染色体に傷を付けないCytoTune®-iPSのiPS細胞誘導効率等の性能のアップとベクターを消去し易くするためにCytoTune®-iPS 2.0を開発した。さらに国内外から年々増加する「臨床に使用可能なiPS細胞の作製用ベクターが欲しい」との声に応えて、IDファーマは、臨床用CytoTune®-iPSの開発を開始した。開発では、専門家らの意見により臨床上のリスクを下げるため、これまでのCytoTune®-iPS に用いられているc-Mycに代えてL−Mycを採用し、安全性を高めることとした。本製品は臨床用ベクターと同じ製品構成を用いた研究用のCytoTune®-iPSである。

技術内容

技術内容

【染色体を傷つけない】

センダイウイルスの最大の特長は、RNAをゲノムとするが、レトロウイルスと異なりRNAのまま細胞質に留まり、そこで複製・転写・翻訳が行われる。細胞核内に遺伝情報が入り宿主のDNA配列の中に組み込まれる事はないため、染色体に傷を付けることが原理上ない。

【高い感染性】

センダイウイルスベクターのもう一つの特徴は、その感染性の高さである。センダイウイルスはウイルス表面上のHNタンパク質が細胞膜上のシアル酸に結合し感染する。このシアル酸はほとんどの細胞種で発現しているため、広範囲の細胞種に感染する事ができる。

【誘導因子の消去】

センダイウイルスベクターは、細胞質内で複製を続けるため、誘導遺伝子が持続的に存在していたが、IDファーマ社開発の新技術により細胞内から消去することが可能になった。CytoTune®-iPSを用いて誘導したiPS細胞は継代に伴い、徐々にCytoTune®-iPSが消えていきCytoTune®-iPSが残存しないiPS細胞を作製する事ができる。

使用文献はこちら

http://ruo.mbl.co.jp/bio/product/regeneration-medicine/cytotune_ref.html

普及・実用化に果たす役割

センダイウイルスベクターは、その原理・生活環からレトロウイルスベクターを用いた場合のような発がんの好ましくない形質転換を考慮する必要がないため、より高い安全性が求められる臨床応用に最適である。 また、感染効率が高く、動物種も選ばないため哺乳動物や鳥類まで幅広い動物をターゲットにする事ができる。CytoTune®-iPS2.0では、さらに誘導効率が向上しておりこれまで誘導しにくかった細胞からもiPS細胞を誘導する事に成功している。

普及・実用化に果たす役割

普及・実用化に果たす役割

CytoTune®-iPS 2.0LはiPS細胞の誘導効率はそのままに、より臨床に近いステージで研究を行おうと考えている研究者に向けたキットである。
誘導因子の消去においても、CytoTune®-iPS 2.0と同様にわずか2継代で80%以上のコロニーがベクターを消失する。

未来に向けて

iPS細胞研究は、研究レベルから臨床へと移行するステージに来ている。疾患をターゲットにした分化方法の確立へと、より実用化が進んでいる。本ベクターは、臨床用iPS細胞を作製するGMP製造される(CytoTune®-iPS 2.0LG)と製品構成が同じnon-GMP製造品CytoTune®-iPS 2.0Lになっており、今後臨床で使用されるiPS細胞と同等のiPS細胞を自分で作製し、分化研究を進める際に役立つとおもわれる。センダイウイルスベクターを使用した技術はこれまでiPS細胞の誘導に主眼を置いていたが、発現のON/OFF制御がある程度できるようになったため、iPS細胞からの様々な細胞・組織への分化誘導にも活用できると考えている。
こういった分野でも、【染色体を傷付けない】【高い感染性】などの特質は大きな役割を担えるのではないかと現在研究開発を進めている。